仕事のやりがい

Vol.0872022.7
「終末期のケアから感じた看護師としてのやりがい」
職種:
看護師
勤続年数:
14年

看護師となってから、様々な患者さんやご家族に携わり、多くの学びを得てきました。その中でも大変心に残っている終末期の患者さんとの出会いがあります。

その患者さんは、入院前夫と二人暮らしで、食事は自力摂取できるものの、排泄や移動などでは介助が必要でした。患者さんは残された時間を思い、「一度は家に帰りたい」と涙を浮かべながら何度も話されました。しかし、夫は病状の悪化だけではなく、自身の体調不良や仕事を心配し、気が進まない状況でした。

そこで多職種での介入が必要と考え、患者さんの持てる力を見出すためにKOMIチャートで評価し、安心して自宅退院できることを目標とした介入を開始しました。ご本人と夫を含めた話し合いと外出を重ねたことで、夫の思いにも徐々に変化が生じ、自宅退院することができました。退院後訪問指導を4回実施し、患者さんからも夫からも、自宅で過ごせることの喜びや感謝の言葉を頂き、看護師としてやりがいを感じた瞬間でした。今でもその時の笑顔や言葉を覚えております。

また本事例を学会で発表することで新たな発見があり、自分の課題も明確となり、良い経験ができました。これからも患者さんとご家族の希望や不安に寄り添い、多職種で連携して段階的に進めていくことの大切さを忘れず、日々取り組んでいきたいと思います。