石巻健育会病院に入職し、早いもので16年目となりました。これまで、色々な患者さんやご家族と出会い、沢山のことを学ばせて頂きました。

その中でも大変印象に残っているのは、2018年に出会った終末期の患者さんです。入院時は自力で経口摂取が可能な状態でしたが、誤嚥性肺炎を繰り返していました。私たちはご本人とご家族の希望を叶えるためKOMIケアシステムを活用し、最期まで少量でも経口摂取が継続できるようにケア介入を行いました。他病棟には妻も入院しており、何度も面会を実施しました。妻は先に他界されましたが、面会時のお二人の笑顔は今も忘れられません。また、両親の問題を一人で抱えた娘さんの想いにも傾聴するように努めた後は、私を頼って声をかけて頂くようになりました。退院時には娘さんより「最期まで、ご飯が食べられて、幸せだったと思います。この病院で最期を迎えられて本当に幸せでした。」との言葉を頂きました。患者さんとご家族の思いに寄り添った、この看護の経験が私の仕事のやりがいになっています。今後もご家族との関わりを大切にし、頼られる看護師でありたいと思います。