仕事のやりがい

Vol.0582019.11
「尊厳をふまえたケアを目指して」
職種:
介護福祉士 
勤続年数:
1年

私は以前、介護老人保健施設で働いていました。そこには食事が摂れず、点滴も入らないといった利用者さんがおりました。自分達が食事を食べさせなければ命に関わるかもしれないと思うことがあり、やや強引に促したこともありました。

石巻健育会病院で働くようになり同じような状況の患者さんに対し、「患者さんの尊厳はどうなのか」と話し合っていることを知りました。その言葉を聞き、自分が以前、利用者さんのために正しいと思って行ってきたことは、尊厳を無視し、介助側の都合でケアしてきたのではないかと後悔に変わっていきました。当時、葛藤はあったものの正当化してケアを続けていたのかもしれません。

そのことを師長と話した時、「その時々で、安全を前提に考え抜いた最善であったのではないか」との言葉をもらい、尊厳ということを意識はしていなかったけれど、当時利用者さんのことを精一杯考えたことだったと思えるようになりました。

この病院に勤めてから、病気の状態、ご本人の思い、ご家族の思い、私たちが出来ること、すべきことそれらを総合して考えることがチーム医療、尊厳をふまえたケアなのだと改めて教えていただきました。多職種がそれぞれの視点で意見を出し合いながら、進む方向が決まっていくことを忘れずに、私はチームの一員として患者さん一人一人の毎日のケアを丁寧に行っていきたいと思います。